2010年4月4日日曜日

お疲れですか?

毎朝見かける光景である。電車に乗る。人と触れ合うことのないぎりぎりの空間に立ち、まわりに目をやる。シートに座る何人かの人。座るというより、へたり込むといった方が似つかわしいかと思わせる人。さながら積み込まれた動物の搬送車のような風景を見ることがある。頭を後の窓につけ、口をあけて寝入る姿。かばんを抱え込むようにして、しばしの睡眠をむさぼる大人。下車駅までじっと目を閉じる人。そのような人たちを見ていると、つい声を掛けたくなるものだ「お疲れですか?」。
静かに寝入る大人の横で、朝から何とも元気なグループに出会う。しかし、その集団からさしたる、というよりも全く建設的な夢ある話は聞こえてこない。TVで見かける芸を見せない芸能人の話、店側が売り切るために意図的に作り出したファッションの話。かまびすしい限りである。そこに、話をしている本人の主体的な意見は聞こえてこない。そんな若者に出会うと、つい声をかけたくなる。「考えることに、お疲れですか?」
その横で、つり革につかまる、というよりもぶら下がるようにして立っている人がいる。ぶら下がっているのだから無理かとも思われるのだが、それでも本を読もうとしている。しかも厚みのある本である。文字は殆ど見ることのない本である。タイトルには「少年」の文字が躍る。「ギャォー」「ドリャー」といった大きな文字。漫画を読むことを悪いとは決して思わないが、少なくとも仕事をするモードになる時間。「仕事をすることに、お疲れですか?」
更に並んだ人の中で、かなりの空間をシェアしているところがある。大きく広げた新聞が見える。その合間から女性の顔。周りに人のいることなど、彼女にとっては何も意味していない風情だ。オフィスに着いてからゆっくりと新聞を読む時間はないのだろう。「毎日の時間に、お疲れですか?」
疲れると思考の回路も鈍りそうだ。朝から「お疲れ」では、活力を生まない。朝一番のメールを読む。その最初の一行に「おつかれさまです・・・」の一文。私は決して疲れていないのだが?

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