2010年6月11日金曜日

報・連・相

会社内のコミュニケーションを円滑にするキーワードの一つに「報・連・相」がある。言うまでもなく、「報告」「連絡」「相談」の頭文字を並べたものである。頭で理解できていてもいざ実際となると、スムーズにことが運ばないことが多いようだ。
「報告」は“Re-Port”。Reは「戻る」であり、Portは「港」である。航海を終えた船が港に戻り、自らの行動や見聞内容を伝えることが、まさに「報告」である。「連絡」はといえば、相互に繋がりのあることを言う。一人浮遊していたのでは、仕事に広がりがなくなってしまう。更には「相談」。自分の体験や知見だけでは解決がままならぬことに対して、経験者に対して新たな道筋を尋ねようとする姿勢は、時代を超えてある、ひとつのビジネススタイルである。
このように見てくると、今さら言うまでもないことではあるが、どれもコミュニケーション作法のことを言っていることがわかる。「会社」とは価値の共有体のことを言うが、「企業」はそこでの行動である。ことが動けば、行動に関わる多くの人同士が事実を共有していなければ、それぞれがどのような役回りを持つべきかが判然としなくなってしまう。お互いの意志やプロジェクトの意味を共有するコミュニケーションは不可欠である。
しかし、これがままならない。規模の大小によることもあるが、それ以上に発信すべき主体者の意識も大きく影響する。「まあこの程度は報告しなくてもいいだろう」「あっ、忙しくて連絡していなかった」「相談なんかしなくても自分で何とかやってしまおう」・・・。いやはや、「報・連・相」がどこかに飛んでいってしまっている。コミュニケーションは表層的な言葉の共有ではなく、意志と姿勢の共有であることを、発信しやすい「報・連・相」を唱えて改めて思う。

2010年6月7日月曜日

決定力

日本のサッカーに対するコメントで、何度となく耳にする言葉に「決定力不足」がある。最近の政治の世界にも言われることかもしれない。
しかしこれは、ビジネスの現場でも良くある。「考え方はうまく決まったのだが、最終的にお客様に納得を得られなかった。」「そこそこの評価はあるものの決定するまでには至らなかった。」といった声である。当人は精一杯の努力をしたとの思いはあるのだが、結果が出ない。「ビジネスは結果が全て」とは思わないが、それなりの成果が出ないのであれば、そのこと自体がビジネスとして成立しなくなる。
例え事前の準備に対して、どれ程の時間的な頑張りを見せたとしても、その時間に対しては「ご苦労様でした」の声しか得られない。「ありがとう」と握手を求められることはなかろう。
「決定力」は、そのプロセスの評価ではなく、結果に対する評価である。としたならば、プロセス自体を組み替え、見直していくことが必要になる。何も、日々の仕事全てに結果を求めているわけでもない。しかし、営業であれば「成約」、企画のスタッフであれば「採用」、企業全体で見れば「(目標)達成」が決定すべきことである。その一つひとつに、どのように取り組むのかが問われている。決めになる「ひと味」を生み出す力である。
決めるべき場面を想定して、日々120%の力を出すことを実行しなければ、決定の場においては100の答えが出ない。今ここに、蓄えた120%の力が噴出する「ひと味」の場面を常に心する自分がいる。

2010年6月3日木曜日

知覚変動

マーケティングの分野に限らず「ブランド」という言葉によく出会う。東京銀座はブランドストリートとか。そもそもブランド(Brand)の語源は、英語で「焼き印を押す」という意味の“Burned”から発生したものといわれている。すなわち、放牧されている数多くの牛の中から自分の牛を区別するための「マーク」が元々の意味である。
ブランドとは、当初は単に商品の印であったが、やがて商品に意味を与え、ジャンルを代表するものとなり、今日では送り手(企業)と受け手(顧客)との“絆”の証になっている。また、そのための仕組み・仕掛けづくりがブランディングである。したがって、現在言われるブランドとは“組織の存在理由そのもの”として捉えることができる。個人に置き換えれば、自分自身の「存在感」ということになる。
ブランドパワーのある企業では、経営者がブランドの魂を説き、従業員たちはブランドに誇りを持っている。だから顧客たちはブランドに信頼を寄せると考えられる。ただ、言葉だけでは弱い。日常の行動が問われる。更には日常の行動を通した成果も問われよう。「口ではいいことを言っているのに、実態は・・・、」「あの社長がやるることとは到底思えない。」「普段は物静かな良い人なんですよ。まさかね・・・。」と言った声に出会うと、人が持っている堆積された知覚が大きく動いていることを実感する。企業は人格をもった「法人」。その存在は、他者の知覚の堆積によって形成される。「個人」も同様である。ちょっとしたことが、知覚を揺さぶる。
突然の地殻変動は、暮らしに衝撃を与える天災でもあるが、一方の「知覚変動」は、ブランドの価値を揺さぶるマーケティング力が起こすものである。

想いを発信する

 今思うこと。それは、HPにローンチした様々なファイルやガイドを、どれだけの人に見てもらえるかということ。 当方としては、500人の方々を目標にしている。 なかなか、難しい。独りよがりにならぬこと。粘り強く。 Management Partnar Staff 清野裕司