2017年3月21日火曜日

「ビジネス心論」第七稿


「起業」への期待と心得=その1:起業には3つの心得がある。

自分自身の体験も含めて考えると、「企業」人を離れて「起業」する際には、
3つの心得がある。
自らが進み行く道を切り拓く「覚悟」と見ることもできる。

一つは「想」:

Ø自分は何をしたいのか。幼い頃より「想い」続けてきたことはあるのか、長じてどのような分野に身を置こうと思ったのかを、常に「想起」すること。

Ø個人的には、幼少期よりの「想い」が支配していたこともあり、起業することが「思念」のベースにあった。経済的な価値追求ではなく、自らの「夢想」の実現が主題であった。

Ø遠い先を読むことは出来ない。ただ、近い将来(3年後)、自分はどのような環境で、どのように振舞っていたいかは、常時思考(Full-Time Thinking)してきた。

二つは「脈」

Ø起業するには経済的な支えは必要である。いわゆる「金脈」。しかし、それ以上に必要なことは自らの想いを支援してくれる「人脈」である。

Ø特にプロジェクトを推進するにあたり、誰を知っているか、誰とコンタクトを取ればうまくいくのかは、プロジェクト自体の質を左右するポイントである。

Øまた、自分の考えを説明する「文脈・論脈」の設計は、仮想的なビジネスを実体化していく上で欠かすことの出来ない能力である。

三つは「動」:

Ø考えを持たずに動くことは、単なる無駄な動きに過ぎない。そうではなく「考動」の心得を持つこと。考えすぎるとネガティブ思考に陥りがちである。そこそこ考えたなら、動くこと。

Øインターネットが常態化した今、連絡には「速度」よりも「即度」が求められるようになった。それだけに、起業家自身の動きの良さ、日常の動作は他者からの評価にすらなっている。

Øわからないことがあったならば、ネットの検索は当然の動きとして、これに何を加えることが出来るか、誰との出会いを演出できるかによって、ビジネスの広がり方は異なってくる。

2017年3月9日木曜日

「ビジネス心論」第六稿

「良い」企業から「善い」企業への転換 =その3:先人の「想い」が「型」をつくる=

「経営」を机上の学問で終わらせることなく、ビジネス現場で実践してきた先人の声には「なるほど」とうならせるものがある。そこに、自らの「夢」を実現しようとする強い想いが働いているからではないか。決められたルールのない状況から、新たな事業を起こす。そして、その人・企業なりのやり方を生み出し、「人となり」を感じさせ、その企業らしさがさまざまな分野や場面で形となって現出する。
 松下幸之助や本田宗一郎の発した言葉は、時代を超えて普遍的な意味を持って、現代に投げかけられる。 耳に残るのではなく、心に響く言葉が多い。そこには、研究者が一般化して発している記号としての言葉ではない深さがある。しかも、それらの言葉には「解説」はない。聞いた者たちの「解釈」を通じて、心に刺さっていく。 個人(故人)が、その時に自らが汗をかいて、腹の奥から発した言葉である。喉からの言葉というよりも、腹からの言霊といった方が良い。
 そこには強い想いが隠されている。同じ言葉を一言一句暗記(練習)して自分で発したとしても、裏打ちのない言葉は、単にむなしい響きが残るだけである。先人の想いに近づこうと鍛錬し、新たに生み出そうとする日々の稽古を通じて、表現は違うものの先人の「想い」に近い言葉が生まれてくるのではないか。そこにこそ、企業の経営が学ぶべき姿勢があると考える。
 今、日本の多くの企業には、新時代の経営の「型」をつくり出す力が求められている。その「型」は全てが言葉になっていないものかもしれない。しかし、「善」をなそうとする想いや行動を見ることは出来る。
 あるビジネス・スタイル(型)を生み出した経営者に、個人的に守り続けている「こだわり」を確認することも良い。一日の行動をつぶさに見ることも良い。その全てが、学習の素材になる。これからの経営モデルを生み出そうと、日々格闘しているビジネス・パーソンへの、ある時はガイドブック、ある時は激励文、そしてある時は、道標にもなるものである。「型」の要素に、これからの経営の指針が多く含まれていると考えられる。

2017年3月2日木曜日

「ビジネス心論」第五稿

「良い」企業から「善い」企業への転換 =その2:「善い」企業には「型」がある=

 半世紀以上前の、いわゆる戦後復興期の日本経営の論理は、「成長の軌跡」を描くための「効率性」「生産性」をベースにおいていたことは論を待たない。そのために、ある時は「人間性」が置き去りにされてしまったこともある。1990年代にバブル経済が崩壊してより、欧米の経営モデルが多く紹介され、新しい言葉の渦の中に途方にくれてしまった企業人にも多く出会うことがあった。
 決められたレールに乗って、「身体に汗」をかくことを教えられたビジネス・パーソンが、新時代の経営のあり方を模索して「頭に汗」をかくよう指示されても、はたと何をすれば良いか路頭に迷うところである。
 その背景には、決められたルールに則った「形」の訓練は受けたものの、新しい「型」を求める学習機会や内発力向上の機会を失したままに歳を重ねたことも一因と見ることが出来る。企業の人材面から見れば、何とも「もったいない」話である。人は本来「考え」「生み出し」「つくり出す」能力を持っているにもかかわらず、ただひたすらに「行動」力をつけることが求められており、「考動」の術を持たない人材になってしまった。企業の人材育成が誤っていたわけではなく、さまざまな「技能」習得を基本にした学習機会が大勢を占めていたからである。
 今、新しい経営のモデル(型)が求められている。ブルーオーシャンの言葉を持ち出すまでもなく、新たな原野を開墾し、自らの糧を生み出す土地(市場)創造の知恵が求められている。
 決められた分野での技能を高める学習は、その分野を横に広げる「形」は生み出すものの、新たな視点で深めていく「型」を生み出すことは出来ない。


想いを発信する

 今思うこと。それは、HPにローンチした様々なファイルやガイドを、どれだけの人に見てもらえるかということ。 当方としては、500人の方々を目標にしている。 なかなか、難しい。独りよがりにならぬこと。粘り強く。 Management Partnar Staff 清野裕司