2017年3月9日木曜日

「ビジネス心論」第六稿

「良い」企業から「善い」企業への転換 =その3:先人の「想い」が「型」をつくる=

「経営」を机上の学問で終わらせることなく、ビジネス現場で実践してきた先人の声には「なるほど」とうならせるものがある。そこに、自らの「夢」を実現しようとする強い想いが働いているからではないか。決められたルールのない状況から、新たな事業を起こす。そして、その人・企業なりのやり方を生み出し、「人となり」を感じさせ、その企業らしさがさまざまな分野や場面で形となって現出する。
 松下幸之助や本田宗一郎の発した言葉は、時代を超えて普遍的な意味を持って、現代に投げかけられる。 耳に残るのではなく、心に響く言葉が多い。そこには、研究者が一般化して発している記号としての言葉ではない深さがある。しかも、それらの言葉には「解説」はない。聞いた者たちの「解釈」を通じて、心に刺さっていく。 個人(故人)が、その時に自らが汗をかいて、腹の奥から発した言葉である。喉からの言葉というよりも、腹からの言霊といった方が良い。
 そこには強い想いが隠されている。同じ言葉を一言一句暗記(練習)して自分で発したとしても、裏打ちのない言葉は、単にむなしい響きが残るだけである。先人の想いに近づこうと鍛錬し、新たに生み出そうとする日々の稽古を通じて、表現は違うものの先人の「想い」に近い言葉が生まれてくるのではないか。そこにこそ、企業の経営が学ぶべき姿勢があると考える。
 今、日本の多くの企業には、新時代の経営の「型」をつくり出す力が求められている。その「型」は全てが言葉になっていないものかもしれない。しかし、「善」をなそうとする想いや行動を見ることは出来る。
 あるビジネス・スタイル(型)を生み出した経営者に、個人的に守り続けている「こだわり」を確認することも良い。一日の行動をつぶさに見ることも良い。その全てが、学習の素材になる。これからの経営モデルを生み出そうと、日々格闘しているビジネス・パーソンへの、ある時はガイドブック、ある時は激励文、そしてある時は、道標にもなるものである。「型」の要素に、これからの経営の指針が多く含まれていると考えられる。

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想いを発信する

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