仕事の関係も含め、会食の折に「何を召し上がりますか?」と聞かれた際、私の答えはいつも決まっている。「お寿司がいいです」と。食事のジャンルは一般的に、和食・洋食・中華と分けられるが、幼い頃から個人的には、これに寿司が加わる。母がつくってくれた「巻き寿司」「ばら寿司」「いなり寿司」の味は、郷愁の世界へと誘ってくれる。
人それぞれに、思い出の中の食べ物があるのではないか。家庭内での食事の思い出もあるが、それ以上に外食での思い出が、今も鮮明に浮かんでくることがある。中には、もう既に半世紀近く時が流れたものもある。
5歳の頃、親の転勤で上京した折、初めて旅館で「卵焼き」を食べたことがある。鶏卵自体が高級な食材で、めったに食卓に乗るような時代ではなかったからであろう。その甘さと共に、味わい深い風味が体中を駆け巡っていった。その時の感動が残っているのか、今も出張時の朝食に「卵焼き」を食べている自分がいる。同じく卵にかかわるものだが「オムライス」がある。浅草に現在もあるセキネという食堂で、食べさせて貰ったものである。ふんわりした焼卵で、程よく炒められたチキンライスが包まれている。しかもその上にケチャップが彩りを添えている。味わいと共に、はじめて見る美しさ。7歳の時の衝撃であった。「カツ丼」の甘辛いしょうゆ味に出会ったのは、その後しばらくたった時である。「牡蠣フライ」は、小学4年生のときであった。「天津麺」は、小学6年生。そして、中学生の時に初めてカウンターの前に座って寿司を食する機会を得た。自分の好みを告げると、目の前で自分だけのために調理してもらえる至福の時。その感動は今も強く残っている。
最近は、ついぞ感動の食に出会うことがなくなってしまった。自分自身の食体験が深まったからであろうか。いや、それ以上に、余りにも準備され尽くした食が、日常の中に出回ってしまっているからではないか。今の小学生たちは、20年後、30年後にどのような「感動」を食にもって、語っているのであろうか。
2010年5月2日日曜日
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